これは96幕を見ての楽屋ネタです。
通常の作品とは異なり、リクオ達は自分が漫画の登場人物である事を自覚していますので、その点を御了承の上、お読みください。
リクオは半笑いをしながら父の事を擁護しようとするが、つららはさも当然のように言い放った。 「いえ、だって遊び人にしか見えませんでしたし。」 そう言われれば返す言葉も無い。 「それよりもリクオ様、今回の京都編が終わったら、狐の呪いは解けるのでしょうか?」 話題が変わった事にホッと一息つきながら、リクオは自分の願望も含めてつららの質問に答える。 「ですよね。」 その返事に、つららは嬉しそうに相槌を打った。 「それに、解けないと竜二さんも死んでしまう事になるだろうしね。」 つららが言葉を呑みこんだ事に、リクオはあえて気が付かないふりをした。 「うん・・・たぶん。」 リクオの意外な言葉に、つららが驚く。 「ん~~~、そうだと思うんだけど・・・仲が悪そうだったしなぁ・・・」 つららの目には、二人は仲の良い兄妹にしか見えなかった。 「・・・・じゃあ、つららは牛頭丸と仲良いの?」 思わぬ話の展開につららは慌てふためく。 「だいたい私が好きなのはリクオ様ですよ。」 相変わらずストレートなつららの言葉に、リクオも顔を赤く染める。 「そうそう、それで呪いが解けるって話ですけど。」 つららの質問の意味をとっさに理解できず、リクオは思わず間の抜けた声を出してしまう。 「ですから、京都編が終わったらリクオ様と私で子づ「わああああああああ~~~~~!!」 ようやく何を言おうとしているのかに気が付いたリクオが、大慌てで手を振りながらつららの言葉を遮る。 「り、リクオ様!?」 確かにそういうのもあるが、それはあくまで別漫画の話だ。 「そりゃその場面を描写されるのは私だって御免ですからね。見ていいのはリクオ様だけですよ。」 つららの爆弾発言に、リクオは顔を耳まで真っ赤に染める。 「そ、そうだろ。だからこの話は無理だから、ね?」 胸を張って自分のお腹をポンっと叩きながら答えるつららに、リクオは眩暈がしてきた。 「いや、僕が駄目だって言っているのは、僕はまだ12歳だよね?」 何を当たり前の事を、とつららが訝しむ。 「だから、少年誌で13歳で父親っていうのはマズイって。」 夜リクも登場させようと思ったのですが、「本当かどうか、いま試してみるかい?」などと、とんでもない事言って速攻でつららを喰ってしまいかねないので、昼リクのみに自粛しました(笑)。 考えてみれば、リクオは夜の姿とはいえ煙草も酒もありなんですよね。 流石に本誌で子供ができるというイベントは無理だと思いますが、こういうネタで遊べるうちはどんどん遊びたいですね。
「リクオ様、女好きだった先代に子供が出来なかったのは、呪いの為だったのですね。」
「うん、そうなんだ。」
「私はてっきり子育てが面倒で作ろうとしなかったとばかり・・・」
「父さんをなんだと思っていたのさ(^^;)。」
「う・・・それはまぁ確かに。」
自分の父が男女関係なく多くの妖をタラシ込んでいた、というのは子どもの頃こそ良く解らなかったが、今はなんとなく分かってしまったのが恨めしい。
「多分そうなるんじゃないかな。でないとわざわざこのタイミングで出す必要無いし。」
「それはど・・・花開院さんが喜びますね。」
ただ、返答にも少し困って、苦笑いをしてしまう。
「たぶん・・・ですか?」
リクオはどう言ったものかと難しい顔をして、首を捻らせた。
「何を言っているのですか。喧嘩するほど、と言うでしょう?」
確かにゆらに対する態度に問題はあるが、リクオがかつて自分にやっていた事に、通じるものを感じていたからだ。
「そ、そんなわけ無いでしょう!あり得ません!」
ふと何かを感じて視線をつららの背中の向こうに向けると、木の上にいた牛頭丸が、リクオの視線に気がついてフイと顔を背けた。
興味のないフリをしているが、明らかにリクオ達の話に聞き耳を立てているのが伺える。
「う、うん。ありがとう。」
ふと視線をつららの後ろに向けてみれば、牛頭丸がどよーんと暗い顔をして、器用に木の上で膝を抱えて蹲っていた。
リクオは気付かなかった事にするかと苦笑いしていると、つららがわずかに頬を染めながら、上目遣いで自分を見ながら話しかけてきた。
「うん。」
「羽衣狐を倒して本家に帰ったら、本当に呪いが解けたか試してみませんか?」
「は?」
「つらら、ここ一応ノーマルサイト!それに少年誌だよ、少年誌!!」
「え、でも最近の傾向では、少年誌でももっと過激な描写もありますよ。」
「いや、駄目だって!」
もっとも当のつららは、ほのかに頬を赤くしているだけで、それほど恥ずがしがってはいないようだ。
「大丈夫ですよ~。京都編が終わったらいきなり半年ぐらい経って、まだ目立たないお腹の私を、皆が気遣うシーンを用意してくれれば、それで十分です。」
問題はそこではないというのに・・・
「ええ、半年後、ということになれば13歳ですね。」
「妖怪の世界では13歳はもう大人ですから、問題無しです(^^)。」
「ぼくは人間社会でも生活したいんだ~~~~~!」
あー、面白かった。
読んだ時には牛鬼様の事で頭いっぱいだったため、その点についてあまり深く考えませんでしたが、他所様の感想で家族計画のことを取り上げていたのを見まして、それでふと考えてしまいました。
もっとも煙草に関しては、煙が出ていたシーンに覚えが無いので、単にポーズという可能性もありますが。