つらら「あれ?どうかなさいましたか、リクオ様。」
部屋の隅には、つららに背を向けた体育座りのリクオがいた。
何やら畳に、指で文字らしきものを書いているようにも見える。
つらら「あのー、何をなさって・・・」
おそるおそるリクオに近づきつつ、つららは不安げに声をかけた。
つららが部屋に入ってきたのを感じ取り、リクオの背中がビクリと震える。
そんなリクオを見て、つららは慌ててリクオに駆け寄った。
つらら「リクオ様っ!学校で何かあったのですか?!もし宜しければ、この雪女に・・・へぶっ!!」
そのままリクオの背中を抱きかかえようとしたつららだったが、畳の縁に躓いて勢いよく転んでしまう。
ごつ~~~~ん・・・
見事なまでに、つららのおでことリクオの頭頂部がぶつかり合う。
リクオは頭を抱えて激痛に耐え、つららは頭をくらくらとさせながら、リクオの背中にもたれかかるように崩れ落ちた。
リクオ「つ、つらら・・・だい・・じょう・・・ぶ?」
つらら「リクオ・・・様・・・す、すみません・・・・。」
つららがリクオに抱きつくような体勢のまま、二人は衝撃からの回復を待つ。
まだ十分に回復しきっていないまま、心配そうにつららがリクオに話しかける。
つらら「・・・リクオ様・・・いったい何があったのですか・・・?」
リクオ「いや、その・・・人気投票の結果がね・・・。」
つつら「何言ってるんですか。リクオ様は3千票も取ったじゃないですか。」
なんだそんな事かと、さも当たり前のように編集部の意向を無視するつらら。
リクオ「いや、それ夜の僕の分も含めれば、でしょ。」
つらら「私にとっては同じです。」
つららの言葉は快濶で、慰めでも何でもなく、本心からそう思っている事がリクオには解る。
リクオ「(じーん)・・・でも、世間ではそう見ないようだよ。」
つらら「世間がどう思おうとも、私にとってどちらのリクオ様もリクオ様である事に
変わりはありませんよ。」
つららの言葉に、リクオは嬉しそうに微笑むと、肩越しに添えられたつららの手に、そっと自分の手を添える。
リクオ「ありがとう、つらら。でも最近出番がないんだ。さすがに不安になるよ。」
つらら「大丈夫です。私も出番がありません。」
ぺカーっと笑顔で答えるつららに、リクオは思わず頬をひくつかせる。
リクオ「いや、それは大丈夫とは言わないんじゃ・・・。」
つらら「大丈夫ですよ。青なんて、私と同じように出番がないうえ、豪快な力技タイプで
しかも読者受けしそうなキャラが新たに仲間に加わりそうですし。」
リクオ「(小さな声で)それならつららだって、冷麗にお株奪われているような・・。」
つらら「猩影君も力技で見せ場作ってましたからね。
こちらは長身で美形で、しかも影があるるって女性受けしそうですよ。」
つららの発言に、リクオはピクリと眉を潜ませ、少し不機嫌な顔をする。
リクオ「・・・女の子って、猩影君のように背が高かったり、カッコ良かったりするのが
好きなのかな。」
つらら「たぶんそうだと思いますよ。」
リクオ「・・・つららは?」
つらら「はい?私ですか?」
しーんと静まりかえる部屋の中、リクオとつららが見つめ合う。
つららはしばらく考えると、にっこりとしながら言った。
つらら「そうですね、やはり頭1つ分ぐらいは高い方がいいかもしれません。」
リクオ「・・・・!」
つららの言葉にリクオは衝撃を受け、落胆の色を隠すこともなくつららから目を逸らす。
つらら「ですから、リクオ様。はやく成長期になって、私の身長を越えてくださいね。」
リクオ「・・・え?」
続いて降りてきたつららの言葉に、何の事だか解らないというような表情をしながら、リクオは顔を上げた。
つらら「若はまだ12歳です。これからもっと背が高くなるのでしょう?
あ、でもあまり高くなりすぎないで下さいね。
猩影君のように、身長差がありすぎるというのも困りますから。」
リクオ「・・・・」
つららは少し照れながら、それでもはっきりと最後までリクオをしっかり見ながら話しかける。
リクオもまた照れ笑いを浮かべながら、つららの目を真っ直ぐ見ながら、語りかけた。
リクオ「うん、そうだね・・・・・・でも、つらら。」
つらら「はい、リクオ様。」
リクオの目から、突然笑みが消える。
リクオ「今週、出番あったよね。」
つらら「ギクっ!
い、いえ、リクオ様だって、表紙に出ていたじゃないですか。
だから同じです。」
リクオ「そういえば青も出ていなかったなぁ・・・。」
慌てふためくつららを他所に、リクオは再びいじけモードに突入してしまう。
つらら「大丈夫です。きっと若を迎えに行ったからで、
人気が無かったからじゃないのでは無いでしょうか。」
リクオ「つらら、言葉が変だよ。」
つらら「そ、そんな事ありませんよ。
そんなことより、早くここから出ましょう。」
リクオ「いいよ。僕はもう少しここに居るから。つららだけ行けば?」
つらら「リクオ様~~~~~~;;」
もはやつららには、リクオを慰める言葉が無かった・・・。
昼リクとつららの出番があまりにも無かったので、それをネタに、以前書き込んだ『慰めるシーンを書いてみたい』というのを実行に移してみました。
で、8割方完成した所で、今週のWJ(5・6合併号)でつららが出ていました事を知りました^^;
読む機会がなかったとはいえ、なんとも都合の悪い・・・
ということで、最後の方の文が修正され、このような仕上がりになっています。
時事ネタのため、急ぎ作業となってしまい、色々とおかしな所があるかもしれませんが、私は満足しています。
もっと甘~~く終わらせたかったのですが、まぁこれも良いかな。
オマケ
牛頭丸「うらぁ!!ちょっとぐらい出てねえ位で落ち込んでんじゃねぇ!!」
突然、襖を蹴飛ばして部屋に牛頭が乱入してきた。
つらら「ご、牛頭丸?」
リクオ「うわっ、何だよ牛頭丸。」
牛頭丸は蹲っていたリクオの襟首を掴むと、強引にリクオを立たせる。
リクオ「い、いたいって、牛頭丸。」
牛頭丸「てめぇなんざ、まだましな方だろうが!
俺なんてなあ!完全に忘れ去られてるとしか思えねぇほど出てねぇンだぞ!!おぉ!?」
リクオ&つらら「・・・・・」
しーんと辺りが静まり返る。
牛頭丸「何とか言えーーーー!!
雪ん子、てめえ!何憐れんだ目で見てんだ!!」
つらら「いや、そういうつもりじゃ・・・きゃあ!」
矛先をつららに変えた牛頭丸が、つららの胸倉を掴み詰め寄る。
牛頭丸「だいたい人気投票3位のお前が慰めたって、
こいつが傷つくだけだってのが分からねーのか!」
つらら「そ、そんな、私はリクオ様が心配で・・・」
牛頭丸「それが余計お世話ってんだよ!
まったく、お前って・・・・うわっ!!」
つららと至近距離でにらみ合っていた牛頭丸の頭が、突然後ろにのけ反る。
リクオが牛頭丸の髷を掴み、力いっぱい後ろに引っ張っていた。
牛頭丸「な、何をしやがる!」
リクオ「いいかげんにしろ!そんなにつららに近づい・・・じゃなくて言い掛かりをつけんじゃねえ!」
リクオはつららから牛頭丸を完全に引き離すと、そのまま牛頭丸を放り投げるように縁側へと突き放した。
つらら「リクオ様・・・・」
じーんと感動しながらリクオを見つめるつらら。
そんなつららを、リクオは少し照れながら見つめ返す。
牛頭丸「ちっ、やってらんねえな。」
二人に当てられた牛頭丸は、これ以上絡む気が失せ、部屋を出ていく。
牛頭丸「いいか、俺は必ずまた出てやる。
『実は宝船にこっそり乗っていました~』って感じで、
おいしい所かっさらってやるからな!」
そう言い捨てると、牛頭丸は鼻息を鳴らしながらドシドシと歩いて行った。
残されたリクオとつららは、牛頭丸の去って行った方をしばらくの間眺め、どちらからともなく再び互いを見る。
リクオ「また出てやる・・・って言ってもねぇ。」
つらら「ええ、『こっそり乗っていた』だけならまだしも・・・。」
リクオ&つらら「活躍は無理だ(です)よね。」
HP化している最中に思い立ってしまったので、追加したオマケです。
オマケと言いながら、けっこう長くなってしまったような・・。
まぁ、いちゃついているリクつらになれたと思うので、私的には大満足です^^