清十字団の裏の顔?

清十字団には綺麗所が多い。
学年3本の指に入り、読者モデルにもなっている家長カナ。
奴良にぞっこんとしか思えない、謎の美少女及川つらら。
抜群のプロポーションを誇り、さっぱりとして性格で誰とでも仲の良い巻沙織。
巻の影に隠れているが、実は優れたプロポーションを持つ鳥居夏実。

彼女たちの人気は高いが、『趣味が残念だ』との意見もけっこう多い。
それでも近づく事が出来るなら・・・と清十字団に入りたがる奇特な男共は後を絶たなかった。

ゆら「ちょっと待てい!!」

あの、これナレーションのはずなんですが。

ゆら「私の説明が入っとらんのは何でや!
   『美少女陰陽師』とか『マスコットのような愛らしさ』とか、
   色々あるやろ!」

自分で言うかなぁ・・・まぁ、カナの例もある事だし、自意識過剰は人間ヒロインの特徴なのかも。
しかし、転校生として現れた時、寄って来たのは女生徒ばかりだったよね?

ゆら「ぐ・・・いや、そんなん普通やろ。」

皆の前での紹介の時も、それ以外の時も、容姿に関する周囲の発言は無かったよね。

ゆら「ぐぐ・・・そ、そんなん、容姿で人を判断するんは失礼やからな。
   皆その辺をわきまえとんのや。」

遠野では、リクオが「そこそこ」と言ってたよね。

ゆら「ふふふ・・・そんな事言うてたんか・・・やっぱりあいつは悪やな。
   いつか滅したる。」

ああ、それと『美少女陰陽師』で思い出したけど、初登場シーンの描写から考えても、ゆらって『そっち系に傾倒している、清継と同類の女の子』、つまり『女清継』として認識されている可能性が高いんじゃないかな。

ゆら「な、な、なんやて!」

同級生から見て、清継くんは美男子でしかも頭良し、運動能力抜群と、『趣味が残念なだけ』だけど、ゆらは『残念な所だけ』って感じだよね~。

ゆら「趣味やない!仕事や仕事!私はプロなんよ!?」

でもそれって読者認識では、でしょ?
作中の同級生には分からないって。

ゆら「ぐぐぐ・・・」

読者や主要キャラ達の間では存在感抜群だけど、同級生からはエアーなゆら。
男からモテまくって、読者モデルになるほどの抜群の存在感を持つけど、読者からはエアーなカナ。
どっちの方がいいのかな?漫画的にはゆらの方がずっといいんだろうけど。
というか、エアー属性は人間ヒロインの必須条件なの?

ゆら「う、うるさい~~~~!!いつか見返したる~~~~~!!」
   (泣きながらフェードアウト)

あーいっちゃった。ちょっと意地悪言い過ぎたかな。
それはさておき、続きを書こうか。

 

 

 では、何故他にメンバーが入ってこないのだろうか?
それはもちろん、男性陣による、三者三様の妨害工作があるからなのだ。


清継の場合

清継「清十字団に入るのなら、このぐらいの問題、
    できないと困るな~~~。」
男子生徒A「~~~~こんなの、解けるわけねぇだろ!」
清継「その程度の愛情しか持たない君に、
    清十字団に入る資格など無い!!」
男子生徒A「ちくしょ~~~~~!!」

別に妨害工作ではありません。
素で阻害していますw


島の場合

「はぁ?なんでおめーが清十字団に入るんだよ。」
男子生徒B「いいじゃねーか。な、お前の紹介で入れてくれよ。」
「駄目に決まってんだろ。
  (及川さん狙いのライバルかもしれないんだし)」
男子生徒B「はあ?!なんでだよ。」
「駄目なもんは駄目だ。
  どうしても入りたいんなら、清継さんの許可を貰うんだな。」
男子生徒B「それができりゃお前に頼んだりしないよ・・・」

島は本気で妨害。
清十字団内では清継の舎弟って感じでしゃべっているけど、初登場の時の台詞から、他の人にはこんな感じで話しているんじゃないかなーと。


リクオの場合

リクオ「ごめん、僕じゃそういうのは決められないんだ。」
男子生徒C「まぁいいだろ?頼むから仲間に入れてくれよ。」
リクオ「しょうがないな~~~。」
男子生徒C「さっすが奴良!いい奴だなぁ!」
リクオ「でも一つだけ条件があるんだけど。」
男子生徒C「え?な、なんだよ。」

普段からは考えられないリクオからの取引の提案に、男子生徒の顔に不安がよぎる。

リクオ「誰が目当て?」
男子生徒C「ギクッ・・・だ、誰でもいいだろ?」
リクオ「言ってくれないならこの話は無しだよ。」

男子生徒は目を逸らしてしばらく考え、やがて意を決してリクオに向き直る。

男子生徒C「しょ、しょうがねぇなぁ・・・誰にも言うなよ?家長だよ。」

リクオは残念そうな顔をしてため息をつく。

男子生徒C「な、なんだよ。」
リクオ「知らないの?家永さんは、怖い物嫌いなんだ。」
男子生徒C「だったらなんで清十字団に入っているんだ?」
リクオ「さあ?良く分からないんだ。
    でも清十字団に進んで入ってくる以上、
    『妖怪好き』か『怖い物好き』って認識されちゃうだろうね。」
男子生徒C「げ・・・それって避けられるかもって事か。」
リクオ「まぁそういう事。」
男子生徒C「・・・やっぱ清十字団入るの止めとくわ。
       良い情報ありがとな、奴良。」
リクオ「いや、どういたしまして。」

にこやかにほほ笑みながら、リクオは男子生徒Cを見送る。
その心の中では
『これで巻き込まれる人を又一人助ける事が出来た。
 カナちゃんって、妖怪の被害にあいやすい性質みたいだしなぁ。
 よほどの人じゃないと、安心できないや。』
と喜んでいた。


 その2 

リクオ「ごめん、僕じゃそういうのは決められないんだ。」
男子生徒D「まぁいいだろ?頼むから仲間に入れてくれよ。」

中略

男子生徒D「しょ、しょうがねぇなぁ・・・誰にも言うなよ?花開院だよ。」

リクオは埴輪のような無表情な顔をしながら、男子生徒Dの顔を眺める。

男子生徒D「な、なんだよ。」
リクオ「えーと、なんで花開院さん?」
男子生徒D「何だっていいだろ。さ、言ったんだから、仲間に入れてくれよ。」
リクオ「んー、止めた方がいいと思うんだけどなぁ・・・。」
男子生徒D「なんでだよ。」
リクオ「だって花開院さんって、本物の陰陽師だよ。」
男子生徒D「はぁ?なんだそりゃ?」
リクオ「妖怪退治のプロっていう事。
    妖怪と戦う事なんて日常茶飯事みたいだし、
    彼氏になるんなら、妖怪に負けない強さが必要なんじゃないかなぁ。」
男子生徒D「何言ってんだ。そんなん本当にいるわけ・・・が・・・
       ひ、ひぃぃ!!」

男子生徒Dはリクオの背後を見ると突然おびえ出し、ぴゅーっと物凄い勢いで逃げていった。
その様子を、ポカンと口をあけながら見続けるリクオ。
その脇から、様々な小妖怪たちが姿を現した。

リクオ「あれ?行っちゃった・・・って、なんでここにいるの!?」
小妖怪たち「そりゃあ若頭の為でさぁ。
       あんな奴、のしちまえば良いんですよ。」
リクオ「頼むから止めて。あと、学校ではもう出ないで、お願いだから・・・」

リクオの苦労は、まだまだ続きそうだ。


 その3

中略

男子生徒E「しょ、しょうがねぇなぁ・・・誰にも言うなよ?巻(鳥居)だよ。」

リクオは憐れむような顔で男子生徒Eを見る。

男子生徒E「な、なんだよ。」
リクオ「なんだ、知らないの?巻(鳥居)さんは清継くん目当てだよ。」
男子生徒E「げっ、やっぱりか!」
リクオ「分かってているんなら話は早いや。
    諦めたら?『妖怪好き』な部分を容認しちゃったら、
    他の所で勝てる人なんていないでしょ?」
男子生徒E「うぐぐぐ・・・たしかにそうかもしれない。」

男子生徒Eはがっくりと項垂れながら、立ち去って行った。

リクオ「ん~~、悪い事言っちゃったかな。
    まぁ、これ以上清十字団が増えて、
    巻き込まれる人が増えたら困るもんなぁ。」


その4

中略

男子生徒F「~~~んなわけねぇだろ!
       俺は単に清十字団に入りたいだけなんだよ!
       (最大のライバルに言えるか!)」

リクオの目が突然鋭くなったが、それは一瞬のことで男子生徒Fは気が付かなかった。

リクオ「ふーん、ま、いいや。
    それなら一緒にいこうか。」
男子生徒F「おお、解ってくれたんだな(よし、及川さんへの第一歩だ)。」
リクオ「おーい、つらら、いるんだろ?出ておいでよ。」
つらら「は、はいっ、リクオ様。」
リクオ「今から一緒に、清十字団に行こうか。」
つらら「はい。」

リクオの呼びかけに、物陰からつららが出てきた事に、男子生徒Fは驚きを隠さない。

男子生徒F「え?なんでそこに?・・・というか、今たしか・・・」

『及川』ではなく『つらら』。
『奴良』ではなく『リクオ』ですらなく『リクオ様』。

及川さんが奴良と付き合っているだろうとは思っていたが、まさかここまでとは・・・。
そういえば、サッカー大会の時に『リクオ様~~!』とバカみたいな声援を送っていた女子がいたが、それは彼女に違いない。
そこまで考えて、男子生徒Fはくるりと踵を返した。

リクオ「どうしたの?入団するんじゃなかったの?」
男子生徒F「バ、バカヤローーーーー!!」

男子生徒Fはリクオの言葉に振り返りもせず、叫び声をあげながら走り去って行った。

つらら「リクオ様!なんですかあの男は!
    後で凍らせちゃってもいいですか?!」
リクオ「やらなくていいよ、つらら。もう十分懲りてると思うから。」
つらら「??」
リクオ「さ、それよりも清十字団の部室に行こう。」
つらら「は、はい。」

リクオはつららの手を取ると、共に清継たちの所へと歩いて行った。

 


最初予定していたのと、けっこう別物になってしまいました。
原因はゆらが割り込んで来たこと。
ゆら自身もかなりおかしくなってますw
ゆらに対して好き放題言っていますが、私は人間サイドでは、竜二に次いでゆらが好きですよ?(その次は清継くん)
竜二と同じ、歪んだ愛情なんですよ、きっと^^
ゆらとのギャグで力尽きて、本来の目的部分がかなり大雑把になってしまいましたが、なんとか気合いで追記して、ここまで持っていくことができました。
巻と鳥居が一緒になってしまったのは、単に良いネタが思いつかなかっただけです。
二人のファンの方にはスミマセンでした。

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