捩眼山旅行記

カナ

捩眼山旅行の朝、駅の皆と待ち合わの場所へと付いた時、やっぱりリクオ君が先にいた。
ここまでは良くある光景。
『良い人』のリクオ君は、誰よりも先に集合場所に来る。
そして皆が迷わないよう、そこで他の人が来るのを探し待っていてくれている。

だが、今日はいつもと違う所が一つだけあった。
あの女・・・及川つらら・・・が、リクオ君の横に並んでいるじゃないの。
しかも、別に他の人を待っているわけでもなく、リクオ君に熱い視線をブツけている。
どう言う訳か、それが気に入らない。

そういえば、いつから二人で待ち合わせて一緒に行かなくなったのだろう。
なんとなく、私の方が誘わなくなったような気もするが、明確な理由は覚えていない。

そんな事を考えている内に、いつの間にか背後から追いついてきた清継君たちが、いつものようにハイテンションで挨拶してくる。
その後はいつものように、私にとってはあまり面白くない、妖怪話を中心にした雑談が始った。
私、苦手なんだけどなぁ・・・。

その後も、彼女はずっとリクオ君の側を離れず、所構わず熱い視線をブツけ続けている。
新幹線の座席だって、当たり前のようにリクオ君の隣。
しかも私とリクオ君の間に入るように・・・
いや、別に私が隣になりたいのではなく、それが今までの普通だったから、違和感を感じるだけ。

 

 

シマ

清継さんと集合場所に着くと、彼女がいた。
自分を待っていてくれてたみたいで、それだけで嬉しくなる。
・・・清継くんが声を掛けるまで、奴良の方しか見ていなかったような気がしたが、気のせいに違いない。うん。

新幹線の座席に座るとき、花開院、鳥居、巻と座席に座り、それに向かい合うように家長が座った。
その横に及川さんが座って、『おお、これは絶好のチャンス!』と及川さんの隣で話に花を咲かせるシーン想像していたら、リクオの奴が座っていた。

がーん。

そりゃ、順番に入っていたんだから、及川さんに続いていた奴良が隣に座っても不思議じゃないけどさ。
少しぐらい、夢見させてくれたっていいじゃないか。
奴良の奴、こういう所には気が利かないんだからなぁ。
むしろ邪魔ばかりしているように見えるぞ。
まぁ、こいつに限って、そんな事するわけないか。

その後、座席に膝のりしてまで目線で奴良を追っていた事とか、『リクオくんファイト!』と言っていた事とか、夜の探検で奴良とヒソヒソ話を何度もしていた事とか、二人して包帯だらけになって、一緒に先に帰ってしまった事とか、そんなのは気のせいに違いない。うん。


・・・・・・はぁ。

 

 

カナ

捩眼山を登るときも、リクオ君の側にいるのはあの娘(なんで私の隣は清継君なのよ)。
お風呂に入った時も、いつの間にか抜け出してリクオ君と一緒にいたみたいだし。

いや、それ以上にあの人にお姫様抱っこされていた方が大問題!
あの時はびっくりしたのと、おの娘が怪我していたからスルーしちゃったけど、今思い出すと、とんでもない事よ!!

リクオ君と合流した後も、私とリクオ君の間に入って、あの人の事聞くの邪魔するし。
おまけに二人して包帯だらけになって、互いに相手の傷ばかり気にしていた。

ほんと、あの娘にはイライラする。
あの娘はいったい何者なんだろう?

 

 


リクオとつらら中心での話が思いつかず、こっちが先に閃いたので、こういうの形式も良いかな、と思って作成してみました。
ちゃんと乙女チックにカナを書けてましたか?
作っていて、なかなか面白かったですよ。
カナを2つに分けたのは、最初に全部書くと島の話が無くても良いように感じてしまったので。

それにしても、つららって皆の前で露骨に行動しすぎですよね。
その上リクオも一緒にいるばかりか、よく二人で顔を寄せ合い話をしているわけですから、周りからはバカップル認定されていんじゃないでしょうか?w

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