9月2日 晴
今日はとんでもないものを見てしまった。
雪女が、若頭の制服を着るだと!
私ではサイズが(塗りつぶしの為判別不可。しばらく続く)
毛倡妓にあっさり見つかり、雪女はかなりうろたえていた。
多少は悪い事をしたと思っているのだろう。
反省もしているようなので、このことは若頭には黙っておく事にした。
ただ、やはりまだ早すぎるのではないだろうか。 いや、それ以前にまず祝言が先か。 今日もお勤めが始まり、昼になって『黒羽丸日記』に最初の書き込みをしようとした所、何やら違和感を感じて以前のページを開いてみれば、身に覚えのない塗りつぶしがあるではないか。 「ふむ、横に書き足しておくか。」 原因は後で究明すればいいい。 そう思い松の枝にとまり、筆を取りだした所、突然の振動にバランスを崩してしまった。 「うわっ!」 地面に墜ちる前になんとか体勢を立て直すと同時に、周囲を警戒する。 「何奴!・・・・若頭?」
9月△日 晴
今朝、リクオ様のお部屋から叫び声が聞こえた。
何事かと思ったのだが、どうやらリクオ様は御子が欲しいらしい。
御世継ぎが出来れば奴良組も安泰というものだ。実に喜ばしい。
雪女が逃げ出していた所をみると、私と同じ考えに違いない。
それにしても、雪女を娶る夢まで見るとは。若も相当(塗りつぶしの為判別不可)
「おかしい、ここを塗りつぶした覚えは無いのだが・・・。」
まさか若頭が・・・いや、それは無いはずだ。
あれ以来、厳重に保管していたはずなのだし。
今は、思い出せる限り消された記録文書を復活させることが先決だ。
一体何が起きたというのだ。